プロテストソング・トピカルソングの傑作集WE SHALL OVERCOME
前のページへトップページへWoman is the Nigger of the World/女は世界の奴隷か
John Lennon Plastic Ono Band/
ジョン・レノン プラスティック・オノ・バンド

1972年にジョン・レノン プラスティック・オノ・バンド/John Lennon Plastic Ono Band 名義でアメリカと日本でシングルとして発売された。同時期に発売された2枚組アルバム、「Sometime in New York City」の一曲めを飾る曲。 タイトルに黒人を侮辱する単語、「ニガー/nigger」が使われていたため、全米で放送禁止になり、当然タイトルの過激さも相まってヒット曲とはならなかった。曲だけをとってみると、アレンジも含めてとても良いのに惜しかった。

この曲のタイトルは、女性解放運動雑誌のインタビューか何かで小野洋子がよく発したフレーズだと言われている。ここで「ニガー/nigger」は昔の黒人奴隷を指して白人が使った言葉なので、邦題では「奴隷」となっている。 男女の社会的地位を見たとき、男が世界を支配し、女は男のために尽くす奴隷のような存在だと主張する歌だ。歌詞では実際に男たちに、自分の奥さんをどのように扱っているかを問いかけるところから始まり、最後には怒りの叫びへと変わっていく。そして最後の伴奏は、ベートーベンの有名な「運命」のようなメロディーが再現されてフェードアウトする。

アメリカで現実的に ブラック・ライヴス・マター/Black Lives Matter 抗議運動が盛り上がっているくらいに、未だに黒人が差別されている現状があるが、それを更に男女で分けると、黒人女性こそアメリカに現存する差別階級の最底辺だと言えるだろう。

ジョン・レノン/John Lennon はこの歌が世界で初めて女性運動を歌った曲だと言っている。

この歌の時期、女性の権利獲得のための運動が全米に広がり、大きな成果が上がったと言われる。その影響は日本にもあったが、現在もまだ日本では女は家庭を守って子育てすることが理想だという考えが強いような気がする。その反面、夫婦共働きをしなければ生活が維持できない家庭がほとんどになってきている。にもかかわらず、就職率、給与額など、未だに男女格差が大きい。

家庭での男の権威が落ちることにより、夫婦間でのいざこざも起こりやすくなり、離婚へのつながり、シングルマザーが急増している印象だ。 そんなシングルマザーや子育て家庭への社会的な援助が乏しいため、離婚は貧困のスタートのようになっている。 たいていは母親が子供を引き取るので、男は楽なものだ。 むしろ開放感を得るのではないか?離婚時に決められた養育費も不払いが増えているようだ。男だって非正規採用が増えるに従い、給料が増えるわけでもなく、自分ひとりの生活で汲々な場合もあるのだ。

そのような意味で、未だに女性の地位は、特に日本では、低いままで、この歌詞の中の表現が今もリアルなのである。

また、現在は明確に「奴隷」と定義される人はいないかも知れないが、奴隷のように働いてようやく生きている人は大勢いるのだ。特に海外から呼び寄せる技能実習生についてはパスポートも没収され、職場変更も不可能な状態で弱い立場に置かれ、自由をかなり制限され、奴隷のようになっているという話が後を絶たない。実習生の中でもやはり女性の方が不自由や、危険が多いのではないだろうか。


ジョン・レノン/John Lennon はこの歌を発表した1970年代の始め、アメリカ人になった日本人の小野洋子と結婚し、アメリカのニューヨークに住みながら、政治活動家たちと交流し、様々な平和運動を繰り広げていた。 そしてこの時期の曲は政治色が濃い作品が多い。この曲がその最たるものだろう。

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Woman is the Nigger of the World
女は世界の奴隷か

作詞: John Lennon

Woman is the nigger of the world
Yes she is, think about it
Woman is the nigger of the world
Think about it, do something about it

We make her paint her face and dance
If she won't be a slave, we say that she don't love us
If she's real, we say she's trying to be a man
While putting her down we pretend that she is above us


Woman is the nigger of the world
Yes she is
If you don't believe me
Take a look to the one you're with
Woman is the slave to the slaves


Ah yeah, better scream about it

We make her bear and raise our children
And then we leave her flat for being a fat old mother hen
We tell her home is the only place she should be
Then we complain that she's too unworldly to be our friend

Repeat
Yeah, alright

We insult her everyday on TV
And wonder why she has no guts or confidence
When she's young we kill her will to be free
While telling her not to be so smart
We put her down for being so dumb

Repeat
Yes she is, if you believe me, you better scream about it

We make her paint her face and dance
We make her paint her face and dance
We make her paint her face and dance
We make her paint her face and dance
We make her paint her face and dance
We make her paint her face and dance

訳詩:管理人

女は世界の奴隷だ
そうだとも、考えてごらんよ
女は世界の奴隷だ
考えてみなよ、何かやってみなよ

男は女の顔に色を塗って踊らせる
女が奴隷になりたがらないと、愛していないのかと責める
女が現実的になると、男になろうとしてるのかと言う
そう蔑みながら女の方が男より偉いと持ち上げる


女は世界の奴隷だ
そうだとも
信じられないなら
君と一緒にいる女を見てごらんよ
女は奴隷の奴隷なのさ

ああ、これは声高に叫ばなくちゃ

男は女に子供を生んで育てさせる
女をアパートに置いて出かけ、デブの老いた鶏にする
男は女の居場所は家しかないといい
そのくせ、女は世間知らずで友達にはなれないと文句を言う

※ くりかえし
そうさ、そのとおり

男はテレビの中で毎日女をバカにする
なぜ女は根性もないし、自身もないんだと
女が若いときに男は女の自由願望を殺す
そしてあまり賢くなるなと言いながら、
女は間抜けだと侮辱する

※ くりかえし
そうだとも、僕の言葉を信じるなら、大声で叫ぶんだ

男は女の顔に色を塗って踊らせる
男は女の顔に色を塗って踊らせる
男は女の顔に色を塗って踊らせる
男は女の顔に色を塗って踊らせる
男は女の顔に色を塗って踊らせる
男は女の顔に色を塗って踊らせる
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