ザ・ビートルズが「革命」をタイトルに用いた曲をシングルで発表したこと自体がとても革命的なことだったであろう。この歌が作られたのは、ビートルズがインドに滞在した1968年の早春の頃である。(2018年に50周年)初めは彼らのグループ名を冠した2枚組アルバム、通称ホワイトアルバムの収録曲になったが、それは軽くて気楽で楽しそうなゆったりした歌だった。(タイトルは"Revolution 1")
当時、中国では文化大革命の嵐が吹き荒れていて、中国では政府の思想に異議を唱える人は粛清されていた。その革命を痛烈に皮肉ってジョン・レノンが作った歌である。それで歌詞には当時の毛沢東主席が登場する。
前述のアルバム収録版では、「暴力を肯定するなら俺を巻き込むな」という歌詞の「OUT」の直後に「やっぱり入れて」ということば「IN」を付け加えて、どっちつかずの気持ちが現れていた。
この曲が訴えたいのは過激な暴力を振るわなくても、世の中どうにか回っていくし、僕らもどうにかなるよ、という、実は気楽な姿勢である。
この曲が革命一般についてではなく、現在では国際的に革命というよりは国家的な弾圧だと評価されている文化大革命について批判しているのである。
ジョンはこの歌をベトナム戦争等の当時の情勢に対するビートルズの立場表明として、シングルで発表することを望んだ。そのため、テンポを速め、件の歌詞は暴力否定に割り切って、バンドの演奏も、エレキギターとドラムスが唸りまくる、怒りの爆発のようなサウンドにして、Hey Judeのシングル盤のB面としてリリースされた。ビートルズの最大のヒット曲のB面にもかかわらず、ヒットチャートでは12位まで上がる健闘をした。(Past Masters 2 に収録)
この後、ジョン・レノンが非暴力平和運動のシンボル的な存在になる、その第一歩を踏み出したのがこの曲だと言える。ジョンはソロになってからロックスターとして色々な革命的な試みを行った。
REVOLUTION
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作詞: John Lennon You say you want a revolution Well, you know We all want to change the world You tell me that it's evolution Well, you know We all want to change the world But when you talk about destruction Don't you know that you can count me out *Don't you know it's gonna be All right, all right, all right You say you got a real solution Well, you know We'd all love to see the plan You ask me for a contribution Well, you know We're doing what we can But if you want money for people with minds that hate All I can tell is brother you have to wait * Repeat You say you'll change the constitution Well, you know We all want to change your head You tell me it's the institution Well, you know You better free you mind instead But if you go carrying pictures of Chairman Mao You ain't going to make it with anyone anyhow * Repeat All right, all right, all right All right, all right, all right All right, all right |
訳詩:管理人 君は革命を起こしたいというのだね そうだね 僕らは皆世界を変えたいよ これは進化だというんだね そうだね 僕らは皆世界を変えたいよ でも君が破壊について言うなら 僕は関わりたくないよ *分からないのかい これで大丈夫だって 本当の解決策があるっていうんだね そうんだね 僕らはみんなそのプランを見たいよ 僕に寄付してくれというんだね そうだね 僕らはできることをやってるよ でも君が憎しみの心を持った 人々のためのお金なら ちょっと待てと言うしかないよ、君 * くりかえし 君は社会構造を変えるっていうんだね そうなんだね 僕らは皆君の考えを変えたいよ 制度が問題だと言うんだね そうだね 自分の心を自由にした方がいいよ 毛主席の肖像画を持ち歩いたところで 誰とも何も成し遂げられないよ * くりかえし 大丈夫、大丈夫 |
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The Beatles Taxman John Lennon Give Peace A Chance Power to the People Imagine Give Me Some Truth Cold Turkey Happy Christmas Woman is the Nigger of the World Working Class Hero Paul McCartney Freedom Ebony&Ivory with Stevie Wonder |
Billy Bragg
速攻のパンク・バージョン
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