プロテストソング・トピカルソングの傑作集We Shall Overcome
静かなるアフガン
長渕 剛

2001年のニューヨーク同時多発テロに対するブッシュ政権の報復としてアフガニスタンを爆撃していた2002年5月にシングルとして発売。 近年では日本の大スターシンガーにしては珍しい日本を代表するストレートなプロテストソングである。 アメリカを黒いカラスと表現し、アメリカの言うとおりにする日本を表現しているところが痛快である。

カップリングが同曲のオーケストラ演奏というところに、Paul McCartneyが70年代に<アイルランドへ平和を>でしたのと同じように、強い意気込みを感じさせる。

しかしながら、アメリカのアフガン空爆が開始されると、NHKではこの曲を放送自粛歌にしてしまった。 そのため、この歌は民放ニュース番組で紹介され、本人が歌う姿まで放送されたにもかかわらず、まったくヒットせず、逆にインターネット上ではこの歌に対するバッシングの投稿が随分と目立ったと言われる。

長渕剛のような大物がこのような歌を歌うということはとても素晴らしいことだと思う。意識的かどうかはわからないが、Bob Dylanのように歌っているところがなかなか様になっている。 アレンジは、Bruce Springsteen"Streets of Philadelphia"にそっくりである。 TVのニュース番組での紹介映像は歌詞の後にある。

アメリカ合衆国でバイデン政権が誕生し、ついにアフガニスタンから米軍が撤退したが、その後のアフガニスタンには再び混乱が起こっているそうだ。 それに続いて現在はロシアがウクライナに武力侵攻し、アメリカは今度は介入を避けている。 

とにかく、「ほら、また戦争かい?戦争に人道(みち)などありゃしない。 戦争に正義も〇〇もありゃしない」という歌詞が今、リアルタイムに胸深く響いてくる。

静かなるアフガン@アマゾン

歌詞(ライブ音源動画)

静かなるアフガン

作詞・作曲: 長渕 剛

海の向こうじゃ 戦争がおっ発(ぱじ)まった
人が人を殺し合ってる
アメリカが育てたテロリスト
ビンラディンがモグラになっちまってる

ブッシュはでっかい星条旗を背に
ハリウッド映画のシナリオをすげかえる
悪と戦うヒーロー
アフガンの空 黒いカラスに化けた

   ほら また 戦争かい
   ほら また 戦争かい
   戦争に人道(みち)などありゃしねぇ
   戦争に正義もくそもありゃしねぇ

黒いカラスにぶら下がる ニッポン人
僕らはTVで銃弾に倒れる兵士を見てる
空爆に両足ふっ飛ばされた少女の
瞳から真っ赤な血液(ち)がしたたりおちる

日の丸と星条旗に僕は尋ねてみたい
戦争と銭(かね)はどうしても必要ですか?
広島と長崎が吠えている
「もういやだ!」と 泣き叫んでいる

   ほら また 戦争かい
   ほら また 戦争かい
   戦争に人道(みち)などありゃしねぇ
   戦争に正義もくそもありゃしねぇ

あゝ 早く アフガンの大地に
平和と緑よ やどってくれ!
あの時の少女の瞳をこわさないで
僕は祈る 静かなるアフガンの大地
僕は祈る 静かなるアフガンの大地
この動画で歌う前に長渕自身がインタビューに答えます。

別のライブで歌うときには次のようにも語っている。
「次に歌うこの歌はツアーの最中に書いたものだ。
だけどもどこの放送局も日本の国ではかからなかった。
未だに。意味がわからない。納得できない。
今日はみんなの前でこの歌をとつとつと歌ってみたいと思う。」

静かなるアフガン 投稿者 maruimarui2121

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