在日コリアンのロック歌手、朴保の強烈なメッセージ。 屋外での演奏を昔使われていたポータブル・テレコで録音したように聞こえるギターの導入部から始まり、以前、お祭りなどでよく見かけた傷痍軍人はみんなどこへ行ってしまったのかと問いかけながら、実はまだ戦争は終わってないという画期的な主張をしている。
今も未だに戦時中だとしたら、現在恐ろしいことと思われている自爆テロや、拉致問題などの様々なことが納得できるのではないだろうか? 最近のマスメディアではタブーのようになってしまったような「従軍慰安婦」ということばも大事なキーワードとして登場する。
1995年に朴保&切狂言というバンド名で発表したアルバム「Who Can Save The World?」に収録された。 この曲の最後の部分にアドリブで歌詞カードに掲載されていない部分がある。 下の方に掲載したライブ動画には更に重たい内容のアドリブ・トークが含まれている。正直、このトークを聞いたことによって傷痍軍人のことがあらためてよく分かった。
動画の方はCDとは歌い方がかなり違う。
傷痍軍人に関しては1963年のテレビ用ドキュメンタリー作品で大島渚が監督した「忘れられた皇軍」がある。 このドキュメンタリーは戦時中は日本軍の兵士として戦争に参加し、その間に負傷した在日朝鮮人たちに焦点を当てている。 彼らは戦後、日本籍を剥奪され外国人扱いされたため、負傷した日本人軍人が当然のように受けていた保障を、外国人になったという理由で受けられず、まともな治療も受けられず、苦しい生活を強いられていたのである。彼らの悲しみと、保障を求める戦いを描いた作品である。
なお、この曲は2007年に制作された従軍慰安婦裁判のドキュメンタリー映画「オレの心は負けてない」(安海龍監督作品)のエンディングに使われた。
CD音源(忘れられた皇軍映像編)
傷痍軍人の歌
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作詞・作曲 朴保 子供のころのお祭りだった 彼らを見たのは 白い着物に松葉杖、アコーディオンの音 ある者は手を奪われ足を取られて ある者は両目失って生きるしるべもない ★傷痍軍人、従軍慰安婦、松代大本営 何の補償も残されず 情けのかけらもない ただ年老いて死に絶える 忘れ去られてく 誰のために死んだのか 大義名分何ゆえに どこへ行っても知らん顔 誰に聞いてもわからない ★くり返し×2 異国の地に葬られ 人として浮かばれたか 霊は眠れずさまよい 今も泣いている 一握りの権力者 一億二千の魂と 暗闇天井のしかかる どこへも逃げられない ★くり返し Wounded soldier, Comfort woman, Matsushiro War bomb Shelter 戦争はまだ終わっていないと 隣に座るお前に言う 使い古された言葉だと シラけてお前は俺に言う だけど、だけど現実は 戦争はまだ終わっていないのさ オモニの涙が分るかよ アボジの歩いた長い道が 爺さんは俺に言ってた てめえの尻拭いもできないで 何が国際貢献PKO 一緒に戦争へ行った仲間たちと みんなと、みんなと一緒にしておくれと 爺さんは俺に言ってた しゃがれた、しゃがれた声で 振り絞る の声が 忘れられないよ 戦争はまだ終わってないよ おふくろが、おふくろが俺に言ってた そっちじゃ、そっちじゃないよ そっちいっちゃだめだよ 戦争はまだ終わってないよ 戦争はまだ終わってない! |
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