日本のフォークの神様、、岡林信康のがデビュー前からライブで歌い、レコード会社に魅入られ、デビュー曲として用意された曲。 1968年にこの曲を歌って高石友也に注目されデビュー・シングル盤が作られたが、その内容に政治家を揶揄する内容があったためレコード倫理規定委員会からタイトルや歌詞の変更を要求され一度は発売を諦めた。
彼のデビュー曲はその時B面として予定されていた山谷ブルースに取って代わられた。 それでも翌年に自主制作から発展したインディーズ・レーベルからこの曲のライブ録音がシングルとして発売された。しかし、放送禁止曲に指定された。
歌詞の内容は、学校の先生や政治家から宗教家、天皇までを引き合いに出し、などの「偉い」人達が子供や国民を騙したり、間違った世界観を押し付けようとしている様子を描いて、それぞれに対して「くそくらえ」、「ウソこくな」、「甘ったれるな」と言って抗議するものだ。
紹介したYouTube 動画はその映像からシングル盤のライブだと思われる。 番から
番まであるとても長い曲だが、合間に説明のナレーションが入ったり、聴衆に一緒に歌うように促したりしている。 その説明を聞くと、最初は3番くらいまでしかなかったが、その後、ライブで歌うたびにその時々の社会情勢を反映した歌詞が足されていったように思える。
中でも番は当時の大事件だったソ連のチェコスロバキアへの侵攻が表現されていて、そのときも、今ロシアがウクライナに侵攻しているのと同様の口実で攻め込んだということが分かる。歌詞の国名を入れ替えれば今でも十分通じる。
は当時ベトナム戦争中だったアメリカを責めているが、こちらはイラク戦争など色々な過去の侵攻に置き換えられそうだ。
番に登場する参議院選挙に当選して政治家に転身した小説家が弟を利用したと言えば、思い浮かぶのは最近亡くなった彼しかいないだろう。、
、
番は政治家、政府を揶揄し、最後の
番は天皇に対する皮肉である。 これが当時発売禁止や放送禁止になった主な理由なのだが、今の日本でもこの歌がテレビやラジオで放送できるのかどうかも気になるところである。
タイトルと歌詞中の「くそったれ」を別の語に置き換えたところで難しいのではないだろうか。
しかし、全歌詞が今でも通じるということが恐ろしい。当時も今も基本的なことは何も変わっていない。 今も現役で活動している岡林信康が、コロナ禍でオリンピックも終わり、ロシアがウクライナを侵攻している今、コンサートでこの曲をどのように歌っているのかとても気になる。
くそくらえ節 |
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作詞:岡林信康![]() 生徒の前で説教した テストで百点取らへんと 立派な人にはなれまへん くそくらえったら死んじまえ くそくらえったら死んじまえ この世で一番偉いのは 電子計算機 ![]() 息子を呼んでこう言った 仕事の事だけ考えて 毎日せっせと働いて頂だいよ くそくらえったら死んじまえ くそくらえったら死んじまえ 文句も言わずに黙って(セッセ)と働く 機械の部分品 ![]() 社員を集めて訓示した 君達ワタスを離れては マンズ生きてはゆけない身の上さ くそくらえったら死んじまえ くそくらえったら死んじまえ 金で買われた奴隷だけれど 心は俺のもの |
![]() でっかい面してこう言った 君達真面目に勉強して アタシのようになるんだよ くそくらえったら死んじまえ くそくらえったら死んじまえ 税金チョロマカして2号を持つなど オイラもやりたいなア |
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![]() 信者の前でお説教 この世で我慢をしていれば きっと天国行けまっせ ウソこくなこの野郎 こきやがったなこの野郎 見て来た様な嘘をこくなよ 聖なる神の使者 |
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![]() 新聞記者に発表した 正義と自由を守るため 戦争しなくちゃならないと 嘘こくなこの野郎 こきやがったなこの野郎 おまはん等がもうけるために わてらを殺すのケ |
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![]() チェコの問題でこう言った 仲間の危険を救うため 侵入したのよ許してね 嘘こくなこの野郎 こきやがったなこの野郎 チェコは何にも言わないけれども 気持はよく分かる ![]() チェコの問題でこう言った そら見た事か恐ろしい 共産主義はあきまへんで 嘘こくなこの野郎 こきやがったなこの野郎 そういう事はベトナム侵略 やめてからぬかしやがれ ![]() 選挙に立ってこういった シェイネンの国を作るため アタシャ文学捨てたのよ 甘えるなこの野郎 甘ったれるなこの野郎 弟連れて選挙をやるなぞ ジジイのやることだ ![]() ![]() 若者呼んでこう言った 天皇陛下は神様じゃ お前ら態度がなっちょらん 嘘こくなこの野郎 こきやがったなこの野郎 天皇様もトイレに入れば カミにたよってる |
最初の2分ほど、![]() ![]() その次にトップで紹介したバージョンが続く動画 |
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岡林信康の曲 それで自由になったのかい 手紙 戦争の親玉(日本語) おまわりさんに捧げる歌 |
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