さだまさしが2022年6月1日に発表したアルバム「孤悲」で発表した曲。 2022年2月に始まったロシアによるウクライナへの侵攻。その様子は現代では現地の人々のスマホで撮影され、様々なSNSを通して世界中に拡散されている。その中でも、日本のメディアではロシア軍の若い兵士がウクライナの年配の大人たちから叱られ、説教され、戦意をを喪失し、互いに抱きしめ合うような映像があった。
さだまさしはそのような映像の中で、一人の老婦人がロシア兵に向かって「あんた、ポケットにひまわりの種、入れておきなさい。あんたが死んだあと私がその花を眺めてやるから」と言った場面を見て感動してこの歌を書き始めたという。
このロシア兵が戦場で死んだら、その死体が埋まった場所にヒマワリが咲くというイメージだ。
まさにピート・シーガーの古典的反戦歌、「花はどこへ行ったの/Where Have All The Flowers Gone?」の最後の一節を思い出させる。また、マイケル・ジャクソンが アース・ソング/Earth Song のライブ・パフォーマンスの最後に表現したようなことが実際に起ったのである。 そのパフォーマンスでは少女が手渡す花が重要なアイテムだった。
キーウ/Kyiv は最近までキエフ/Kiev と呼ばれていたウクライナ共和国の首都の名前だが、さだまさしがこの映像を見た頃はまだキエフ が一般的だったため、曲にどちらを使うか定かではなかったそうだが、レコーディングの段階ではキーウがかなり一般的になっていたので、「キーウ」としたそうである。
ロシアは国連の常任理事国であると同時に核保有国。 このような立場の国が戦争を起こすとどうなるのか。 それが今、現在進行形で目の前で繰り広げられている。
ロシアに対して、同じ核保有国で国連常任理事国であるアメリカも中国も、経済制裁こそするが、戦争を早期終結させるための手を打とうとはあまりしていないように見える。その口実が、核攻撃をチラつかせるロシアに対して、同じく核攻撃で対すると世界が破滅に向かう第三次世界大戦につながるから、ということらしい。
それならば大国間で核の均衡を保って戦争勃発を防ごうという「核抑止」の意味はいったい何だったのだろうか。
別の角度から見ると、昨年(2021年)、アメリカ軍が20年間駐留し続けたアフガニスタンから撤退したことにより、軍産複合体が兵器を売る場所が減ったため、新たに戦場を創造して兵器を売り続けるためにこの戦争を引き起こしたとも言われる。
その場合は当然、戦争が早期終結しては意味がないのだ。だから、「経済制裁」という体裁で、戦争を長期化させようとしているのではないかという考えもある。
今はテレビから流れてくる情報を鵜呑みにせず、どうすればウクライナの戦争を早く終わらせることができるかを議論することが重要だ。
ちなみにこの「キーウから遠く離れて」は著作権の関係からか、ネット上に映像が見つからない。 なので、スポッティファイの音源をご紹介する。
キーウから遠く離れて |
|
---|---|
|
作詞: さだまさし 君は誰に向かってその銃を構えているの 気づきなさい君が撃つのは君の自由と未来 力で生命を奪う事が出来たとしても 力で心を奪う事は決して出来ない わたしは君を撃たないけれど 戦車の前に立ち塞がるでしょう ポケット一杯に花の種を詰めて 大きく両手を拡げて わたしが撃たれても その後にわたしが続くでしょう そしてその場所にはきっと花が咲くでしょう 色とりどりに キーウから遠く離れた平和な町では 人はささやかに自分の生命を生きています 何が起きているかも知らずに生きる生命がある 何も出来ずに悔し涙に暮れる生命があり わたしは君を撃たないけれど 世界に生命の重さを歌おう ポケット一杯に花の種を詰めて 大きく両手を拡げて わたしが撃たれてもその後にわたしが続くでしょう そしてその場所にはきっと花が咲くでしょう 色とりどりに 色とりどりに 色とりどりに |
さだまさし 緊急事態宣言の夜 神の恵み〜A Day of Providence 遥かなるクリスマス |