プロテストソング・トピカルソングの傑作集We Shall Overcome
死んだ女の子
高石友也 元ちとせ

I Come And Stand at Every Door/死んだ少女 と同じく、トルコの詩人ナーズム・ヒクメット/Nazim Hikmetトが1956年に発表した詩を翻訳したもの。 この詩は広島への原子爆弾投下により死亡した7歳の少女を題材としている。 邦題通り、死んだ少女が自身の無念さと、平和のために戦ってほしいという遺志を伝えるために家々を訪れドアをノックするという内容である。

1967年に日本のフォーク界を代表する高石友也がこの和訳した歌詞を外山雄三が作った曲に乗せて「想い出の赤いヤッケ」というアルバムに収録した。

2006年には坂本龍一プロデュースにより元ちとせが録音して発表。歌詞は高石友也 のよりも内容が具体的になっている。 2005年8月6日には原爆ドームの前で歌って大好評。そしてその年から毎年8月になると期間限定のデジタルシングルとして発売されている。 このときに興味深いアニメーション風のミュージックビデオも作成された。


元ちとせの歌唱

死んだ女の子

作詞:ナーズム・ヒクメット/Nazim Hikmet
和訳: 中本信幸


あけてちょうだい たたくのはあたし
あっちの戸 こっちの戸 あたしはたたくの
こわがらないで 見えないあたしを
だれにも見えない死んだ女の子を

あたしは死んだの あのヒロシマで
あのヒロシマで 夏の朝に
あのときも七つ いまでも七つ
死んだ子はけっして大きくならないの

炎がのんだの あたしの髪の毛を
あたしの両手を あたしのひとみを
あたしのからだはひとつかみの灰
冷たい風にさらわれていった灰

あなたにお願い だけどあたしは
パンもお米もなにもいらないの
あまいあめ玉もしゃぶれないの
紙きれみたいにもえたあたしは

戸をたたくのはあたしあたし
平和な世界に どうかしてちょうだい
炎が子どもを焼かないように
あまいあめ玉がしゃぶれるように
炎が子どもを焼かないように
あまいあめ玉がしゃぶれるように








オリジナル 高石友也 版
(「夏の日」が「十年前」と歌われます)
 
BEBE
のカバー

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I Come And Stand at Every Door/死んだ少女

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