ジャクソン・ブラウン/Jackson Browneが1997年に発表した彼自身初のベストアルバム "The Next Voice You Hear" に新曲として収録した唯一の自作クリスマスソング。80年代中盤から米国の中南米政策を批判したり、南アフリカのアパルトヘイトや原子力発電を反対する政治運動に関わりながらトピカル・プロテストソングを多数発表してきた彼らしく、クリスマスの暗部に焦点を当てた、ソフトな曲調ながらも深刻な内容の歌詞を聞かせてくれる名作となっています。
日本ではあまり知られていませんが、世界的には知る人ぞ知るクリスマス・ソングの傑作と言えるでしょう。
キリストの誕生日を祝う日にキリストを反逆者だとたとえてるところがユニークです。イエス・キリストは当時抑圧・差別されていた人々の味方であり、権力者から見れば反逆者だったと言えるんですね。
後半ではお金持ちにとっては楽しいクリスマスでも、貧しい人々にとってはどうなのか?貧乏の原因を突き詰めるとお金持ちは困ってしまう。その罪滅ぼし的な意味でこの時期にチャリティをしたり、寄付をしたりする。このようにまやかし、偽善のクリスマス・チャリティ・精神とか、良心なるものを批判しています。根本的な問題解決のためには富める者が自分の財産を全ての貧しい人々に還元するしか無いと思われます。
Jackson Browneはこの歌でグローバルな資本主義の矛盾点を突いています。興味ある方はこちらのブログの記事をご参照ください。
Rebel Jesus
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Written by Jackson Browne All the streets are filled with laughter and light And the music of the season And the merchants windows are all bright With the faces of the children And the families hurrying to their homes As the sky darkens and freezes They'll be gathering around the hearts and tables Giving thanks for gods graces And the birth of the rebel Jesus Well they call him by the prince of peace And they call him by the savior And they pray to him upon the seas And in every bold endeavor And they fill his churches with their pride and gold And their faith in him increases But they've turned the nature that I worshipped in From a temple to a robbers den In the words of the rebel Jesus We guard our world with locks and guns And we guard our fine possessions And once a year when Christmas comes We give to our relations And perhaps we give a little to the poor If the generosity should seize us But if any one of us should interfere In the business of why they are poor They get the same as the Rebel Jesus But pardon me if I have seemed To take the tone of judgement For I've no wish to come between This day and your enjoyment In a life of hardship and of earthly toil There's a need for anything that frees us So I bid you pleasure And I bid you cheer From a heathen and a pagan On the side of the rebel Jesus. |
訳・梅田美佐代、テリー・D・オックス 街路は笑い声ときらめきと クリスマスの音楽に満ちあふれ 商店のウィンドーはみんな輝く 子供達と家路へ急ぐ家族たちの顔で 空が暗く凍えだす頃には 暖炉やテーブルを囲んで集うだろう 神の恵みと反逆者イエスの誕生に 感謝を捧げつつ 人は彼を「平和の皇子」と呼び「救い主」と呼ぶ 人々は航海の安全を彼に祈る 勇気ある努力をなすときもいつも 彼への信仰が高まるにつれ 教会に彼らのプライドとゴールドをつぎこむ だが彼らは僕が崇拝する大自然を変えてしまった 神殿から盗賊の巣窟へと 反逆者イエスの言葉のように 我らは自分達の世界を錠や銃で防衛し 自分達の立派な所有物を守る そして念に一度クリスマスが来ると 親族に贈り物をしたり、もし寛大な気分になれば 恵まれぬ人々に多分なにがしらを与えるだろう だがもしも僕らの誰かが なぜ恵まれぬ人々がいるのかと その問題に首をつっこめば 反逆者イエスと同じ目に遭うだろう だけどもし僕が審判めいた口調に 聞こえたならお許しを あなたのクリスマスの喜びに 水をさすつもりはないのだから 苦しみと現世の苦労の暮らしには 我らを解き放つ何かが必要なんだ だからあなた方に喜びと喝采を申し上げよう 異教徒から 不信心者から 反逆者イエスの側に立って |
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ジャクソン・ブラウン/Jackson Browne のプロテストソング Downhill from Everywhere/ダウンヒル・フロム・エブリウェア スタンディング・イン・ザ・ブリーチ/Standing in the Breach ハウ・ロング/How Long? ライヴス・イン・ザ・バランス/Lives in the Balance フォー・アメリカ/For America インフォメーション・ウォーズ(情報戦争)/Information Wars |