プロテストソング・トピカルソングの傑作集WE SHALL OVERCOME
真実・事実・現実 あることないこと
作詞:谷川俊太郎 作曲:小室等/ 冤罪音楽プロジェクト イノセンス

真実・事実・現実 あることないこと冤罪により獄中生活を余儀なくされた無実の人々を追いかけてドキュメンタリー映画を作っている 金聖雄 監督が、冤罪逮捕で有名な狭山事件布川事件足利事件袴田事件などの被害者を取材したドキュメンタリー映画、「獄友(ごくとも)」のテーマソングとなった。 たとえば、1963年5月1日、埼玉県 狭山市で起きた 女子高生誘拐殺害事件(狭山事件 jWIKIPEDIA) の殺人犯として逮捕された 石川一雄 氏は翌年には地裁で死刑判決が下され、その後冤罪を主張し、77年に無期懲役が確定。その後 32年間の獄中生活を強いられた末に1994年に仮釈放されたのだ。

金聖雄 監督が「獄夕」の制作 にあたって、歌で冤罪被害者を支援することができないかと考え、その考えに賛同する歌手たちを集めて、「冤罪音楽プロジェクト・イノセンス」を立ち上げ、制作した曲。

冤罪は誰かの嘘の証言によって作られる。 反面、嘘をつき通して、罪を裁かれない人もいる。その場合は大抵が権力者側の人間だ。この歌はこのような者たちを批判するメッセージにもなっている。

日本で長年、作詞だけでなく幅広く文学の世界で活躍する谷川俊太郎を作詞者として、また、フォーク界の大御所、小室等 を作曲者として迎え、27人の賛同歌手、ミュージシャンが録音に参加した。 当サイトでも紹介されているおなじみの歌手たちも顔を揃えている。中川敬(ソウル・フラワー・ユニオン)中川五郎朴保趙博李政美、そして、彼らとよく活動を共にしている 沢知恵 など。 監督と同じ 在日コリアン歌手たちが目立っているのが特徴だ。

公式 参加ミュージシャンリスト
ayako_Haro/アン・サリー/李政美/伊藤多喜雄/うじきつよし/及川恒平/大熊ワタル・こぐれみわぞう/河野'菌ちゃん'俊二/小室等/こむろゆい/坂田明/沢知恵/白崎映美/谷川賢作/趙 博/トリ音/中川五郎/中川敬(ソウル・フラワー・ユニオン)/橋本学/朴保/*はなおと*/牧原正洋/吉野弘志/吉元優作/四角佳子



曲から再生。前の部分にドキュメンタリーあり

真実・事実・現実 あることないこと

作詞:谷川俊太郎

ほんとをうそにするのはコトバ
うそをほんとにするのもコトバ
コトバはヒトのつごうでかわる
うそがほんとのかめんをかぶり
うそのすがおはやみのなか

一つしかない『真実』
言葉で二つの「事実」に分裂
ほんとの事実と代わりの事実
二つの事実が言葉のおかげで<現実>
それがじりじり侵し始める真実

黒なのか白なのか
天は知っているはず
地だっておそらく知っている
でもおのれはどうか
他人の言葉の綱に絡め取られて
自分の言葉がもがいている

なかったか あったのか
なかったことがあったとされて
おぼえていることわすれさられ
あることないことこんぐらかって
ほんとのほんとはどこにある
ほんとのほんとはどこにある

生まれたばかりの真っ白な雪が 夜
人間たちの足跡で汚れていきます 朝

どれが自分の足跡なのかも分からないほどに 
そんな現実からいくつもの事実へと
いくつもの事実へとさかのぼり

遂にただ一つの真実に至る道は
信じて夢見ることから始めるしかない
信じて夢見ることから始めるしかない
信じて夢見ることから始めるしかない
信じて夢見ることから始めるしかない

ほんとをうそにするのはコトバ
うそをほんとにするのもコトバ
コトバはヒトのつごうでかわる
うそがほんとのかめんをかぶり 

うそのすがおはやみのなか
うそのすがおはやみのなか
うそのすがおはやみのなか
うそのすがおはやみのなか

沢知恵 のカバー


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