1970年代から日本のフォーク・ミュージックシーンを牽引し続けたシンガーソングライター、松山千春。 彼は人の人生と愛情、恋心を巧みに、繊細に描写し、心に響く数々の名曲を世に送り出してきた。 しかしながら、社会的なメッセージを含んだ曲はあまり知られていない。
2010年に発売されたアルバム、「ずうっと一緒」に収録されたこの曲が、2024年に入ってインスタグラムやティックトックなどのSNSで紹介されるようになってきた。2010年の日本は民主党の鳩山政権だったが、自民党と公明党の連立政権が過半数を割った2024年の衆議院選挙の前ごろから再び注目を浴びている。管理人もそのおかげで12年前のこのトピカルソングを知ることとなった。
「この国は壊れてく」と衝撃的な歌い出しの歌詞は彼の歌らしく繰り返しは最小限に、自身の今の日本社会に対する思いが切々と順序だてて紡がれている。
後半では自分が生きているうちに日本をよくするために自身の命をささげたいという気持ちが強く表明されている。
崩壊 |
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作詞:松山千春 この国は壊れてく この国は壊れてく みんな誰も気付いている はずなのに情け無い 貧しさの中でなら この国は耐え抜いた みんな力を合わせて 必死に生き延びて来た ほんの少しの豊かさのために 我々は何を差し出したのだろう とり返しのつかないものならば とり返しのつかないものでしょう この国は崩れてく この国は崩れてく みんな目的がバラバラで はき違えた個人主義 ひもじさの中でなら この国は頑張った みんな自分に恥じないよう 勤労意欲にもえていた 権力と金のうま味を知った ひと握りの奴等に飼い慣らされて 何の怒りも感じないのなら 何の怒りも持たないのでしょう でも俺の目の黒いうちは 死んでも、死んでも、死にきれやしない 奴等を道連れにしてでも 真っ当な世間にしたいものだ この国を救えるか この国を救えるか 日本というこの国は 永遠に不滅だろうか いやしさが染み付いた この国を守れるか 正義という言葉は そのうち蘇るのだろうか 老いも若きも女子供達も 自分自身を取り戻す事が出来るのか 何の望みも持たないのなら 何の望みもかなわないのでしょう でも俺もそんなに長くない どうせそのうち死んで行く身だし 奴等にひとあわふかせる為に この生命使ってもらえないだろうか この生命使ってもらえないだろうか どうか、 この生命使ってもらえないだろうか |
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