美空ひばりは1974年8月9日に広島で開催された、復興と平和をテーマにした広島平和音楽祭で歌うためにこの歌を用意した。作詞者の松山善三は映画の脚本家で、この音楽祭の総合演出を任されていた。作曲者の佐藤勝は黒澤明監督の映画音楽も手掛けた音楽家である。当時人気ナンバーワンだった女性歌手、美空ひばりも、戦時
同年10月1日にシングルとして発売。B面曲は 「八月五日の夜だった」という、これまた原爆被害の悲劇についての曲だった。この歌の歌詞の中に 8月6日の朝 とあるので、何かそこでつながりがありそうである。
14年後の1988年、そのときは美空ひばりの病気が著しく深刻な状態だったが、楽屋にベッドを運び込んで点滴を受けながら出番を待って、ステージに立ってはこの歌を完全に歌い切ったそうだ。1988年のステージの動画 美空ひばりが亡くなったのは、その翌年、1989年の6月だった。
記事ソース:TAP the POP 「一本の鉛筆があれば戦争はいやだと私は書く」と美空ひばりが歌った反戦と平和の歌)
一本の鉛筆 |
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作詞: 松山善三 作曲: 佐藤 勝 歌唱: 美空ひばり あなたに聞いてもらいたい あなたに読んでもらいたい あなたに歌ってもらいたい あなたに信じてもらいたい 一本の鉛筆があれば 私はあなたへの愛を書く 一本の鉛筆があれば 戦争はいやだと私は書く あなたに愛をおくりたい あなたに夢をおくりたい あなたに春をおくりたい あなたに世界をおくりたい 一枚のザラ紙があれば 私は子どもが欲しいと書く 一枚のザラ紙があれば あなたを返してと 私は書く 一本の鉛筆があれば 八月六日の朝と書く 一本の鉛筆があれば 人間のいのちと 私は書く |